【バイクニクル“モト・ヌイ”】(2009)
実は、キンブレイ2を作ったところで、いい加減、人型モデルを作るのは限界だと思ってました(笑)。いや、限界は前から感じていたんですけど。
頭と胴体を作るのはノリノリでやれるんですが、脚や腕になると、どこか「調整」的な工作になってしまうのが、ちょっとストレスだったっていうか。
元々、できることなら「同じ手は使わない方が面白い」と思うタイプなので、脚や腕は、面白いバリエーションを考えるのがツラくなっていた、と。
というわけで、「人型以外の何か」を模索するシリーズの第1弾モチーフは、バイクです。
バイクって、エンジンや足回りはムキ出しのメカメカで、タンクからシートへのラインやカウルは曲線がカッコイイじゃないですか。
それ、とってもニクル向きのモチーフだと思ったんですね。メカメカ部分は、いつもの銀色ビルドで、曲線は、アウトラインさえ押さえておけば、
案外イイ感じに決まるんじゃないか?なんて、脳内ではスパーン!と見通しが立っちゃいました(超・希望的!)。
しかし、早速取り掛かろうってところで立ちはだかった壁は、「タイヤがない!」(笑)
8291 ダートバイクに入ってるタイヤを使うことも考えました。昔の仮面ライダーのバイクなら、それでもいい。
でも、やっぱり8420 ストリートバイクのタイヤじゃないとダメな気がして。あの太さ、あのボリュームがどうしても欲しかったんです。
http://www.bricklink.com/catalogItemInv.asp?S=8420-1
今やネットオークションにもなかなか出てこない品なんですが、運よく入手できまして、ようやく計画スタートとなりました。
S.I.C.匠魂のハカイダー部隊のバイク、「FF7」でクラウドが乗っていたハーディ・デイトナ、実車では、ヤマハV-MAXの2009年モデル辺りを
イメージソースにしました。レーサータイプより、そっち系のバイクの方が好みでして。ドッカリ座って、ドッドッドッ!って感じのヘビーさが。
フロントが高くてリアが低い。フロントからタンク、シートへとつながる曲線が肝。そのなめらかさと、エンジンのゴツゴツさ加減とのメリハリ。
そんなイメージで行こうと。
ニクルで作る以上、どうやってもトンデモバイクにしかなりませんが、スッ飛ばしたデザインよりも、パッと見てバイクに見える感じというか、
実車のはるか延長線上にある感じを狙ってみたつもりです。やろうとしたのは、「ニクルだけどバイク!」ってところですからね。
例によって「ニクルだけど」を枕詞にするのは、我ながらマニア向け過ぎるというか、伝わりにくいかなーとは思いますが(笑)。
ニクルパーツでバイクを形作ろうと。テクニックパーツよりも、クセの強いニクルパーツを前面に出していく面白さを。
だから、目指したのは「バイクという形」です。マシンとしてのコンセプトとか、設定とかいう面は端っからスルーしております。
実写風を狙うといっても、実際の部品構成に縛られ過ぎるとダイナミズムを失いますから、押さえるのはポイントのみにしようと心がけました。
いつも言ってますけど、それっぽく見えればイイんです。それっぽく見えれば(笑)。
イメージは大体固まっても、初めて作るモチーフなので、とりあえず、どこから組み始めてイイのか分かりませんでした。
どの程度のパーツを要するのかも全然見えてこなかったので、カラーリングも、パーツが潤沢な黒にするしかなかったくらいです。
そしてヘッドライト。前にも書きましたが、人型で言えば「顔」に当たる、重要な部分と位置付けていました。
第一に、バイオニクルだよ、ってことを主張するデザインにしたかったんですね。いかにも「ニクルな感じ」のするパーツを使わなくてはと。
ニクルと言えば、何と言ってもマスク(カノイ)ですが、マスクを使うと、キャラっぽさが前に出過ぎて、バイクっぽさが引っ込んでしまうおそれが。
試しにヒドラクソンのマスクを配置してみたら、やっぱり「顔のあるバイク」に見えてしまい、これではダメだなということに。
ニクルっぽさは主張したいけれど、主張が強すぎてもNGという、難しい塩梅です。
そこで、ライトであることを押さえようと、クリアパーツを使うことにしました。
ファントカマトランの頭は、うまく使えなかったので、グラトリアンの頭に。小ぶりで、丸っこいのも好都合でした。
それから、ライトであることを明確に示すには、クリアパーツを縁取るようなパーツ配置が必要と判断して、ラクシ背とスライザー足を使いました。
ラクシ背は、フロントからタンクへとつながる曲線を描く意味でも、これしかないって感じで。ここの曲線は重要なポイントですからね。
「頭部」にラクシ背を使った以上、ギーガーのエイリアン的に装飾したくなり、フレキシブル・ホースを側面に這わせてみたりして。
ホースの両端は、軸穴ではなく、パーツの隙間に挿してます。適当な隙間に挿しておけば何とかなるのも、このホースの強みですね。
マイナーな例えですが、エイリアンのほかに、金田伊功の「BIRTH」に登場する敵キャラ・イノガニックなんかもイメージしつつ(笑)。
ニクルなので、これは単なるメカじゃなくて、生体メカでしょう、やっぱり。
ハンドルグリップは、特に重要視しておらず、やや、やっつけ的に。実際、サイズ的にも、パーツの選択肢はそんなにないと思いました。
ブレーキレバーを刀にしたのは、このマシンを駆る以上はブレーキ無用の心構えが必要で、握ったら指が落ちる!的な気持ちで。
ラクシ背の中央にあるスリットからは、何かが見えていた方が面白いと思って、ヘッドライトと同じ色のクリアパーツを仕込んであります。
一応、ヘッドライトから後方にも発光体が連続しているイメージで。しかし実際、ラクシ背の内部には光がほとんど入らないので、近くでよく見ないと
分からないレベルになっちゃいました(笑)。うーん、いいアイディアだと思ったのになぁ。
接続がパカパカになりがちなラクシ背ですが、内側の突起がクリアパーツに少し引っ掛かるので、開閉は「カチッ」って感じになってます。
ついでに、ヘッドライトの中には、青いブッシュを入れて、色味に変化を持たせようとしてます。が、効果はほとんどナシ(苦笑)。
フロントからタンク、シートからリアへの曲線がよく分かるアングルを探すのが、結構大変でした(汗)。
次ページでは、タンク、エンジン、リア周りを解説します。(つづく)